ベータグルカン自体には副作用は無い。 しかし、ベータグルカン健康食品による副作用の問題は頻繁に存在する。これらのベータグルカン健康食品の副作用の原因は、ベータグルカン本体ではなく「不純物」の影響であることは朗かだ。
過去に社会現象となったアガリクス健康食品がすっかり下火になったのは、アガリクス健康食品に発がん性が報告されたからである。数年を経た後に厚生労働省から公表された副作用の原因が菌糸体の混入、つまりは不純物によるものだと判明した。考えてみれば、キノコは土壌の水分だけでなく土壌内の様々な成分を取り込むことで、多様な栄養素を内部合成しているのだが、土壌に重金属があれば取り込んでしまう危険はかなり高いのである。悪質な販売者によると何が含まれている判然としないような露地モノのキノコを「天然モノ」と称して販売している。食用キノコなら食味を楽しむ天然は価値が高いことは認められるだろう。しかし、健康食品としてキノコもしくはキノコ健康食品を食する目的は、効果効能が期待できる機能性成分の摂取にある。キノコ健康食品の摂取目的は、ベータグルカンの摂取であることは明白で、ベータグルカン以外のタンパク質や脂質は無駄以上にベータグルカンの作用を阻害する可能性すらある。ましてや重金属まで含まれているような土壌成分の混入を「ミネラル含有」と呼ぶのは詭弁としか言いようが無い。極めて悪質な詭弁だ。
キノコの菌糸体をありがたがる風潮はさすがに低調となったが、それでも栽培土壌に含まれる未知の成分が製品自体に混入するリスクが無くなることは無いだろう。このリスクは土壌で培養されるキノコおよびキノコを原料とする健康食品に不可避なリスクである。
これらの不純物によって発生しる副作用のリスクを軽減するためには、精製工程を徹底することで不純物を減らす、つまりβグルカンの純度を高めることだ。しかし、昨今に流行のキノコ健康食品を見渡してみても、ハナビラタケやチャーガ(カバノアナタケ)も精製工程とは無縁のグラインドで磨り潰しただけの細粒が堂々と販売されているだけで、βグルカンの純度を上げるための努力は見当たらない。これは、そのままでも高額販売可能なキノコ健康食品に対して、ベータグルカンの精製工程は、利益確保の観点から余計なコストでしかないと見做されているからであろう。
精製された高純度なベータグルカンを求めるなら、原料の製造当初からその後の精製工程が前提となっているパン酵母から抽出されるベータグルカンに頼るしかないのが現状なのである。